中古住宅は新築に比べて価格がより安いため、マイホームを検討している人々の中には中古住宅に興味を持っている方も多くいます。
しかし、中古住宅は以前他の人が住んでいた物件であるため、「トラブルに巻き込まれる可能性があるのではないか」と不安を感じる方もいらっしゃるでしょう。
そこで、中古住宅では物件を実際に見ることができるため、実際に住んだときのイメージがしやすい利点があります。
もし気になる物件があれば、勇気を出して内見してみることをおすすめします。
この記事では、内見とは具体的に何をするのか、内見の際のチェックポイント、中古住宅で避けられる可能性のあるトラブルなどについて詳しく説明します。
これらの情報を参考にして、納得いく中古住宅の選び方を見つけるのに役立ててください。
また、内見と内覧の違いについても解説します。
不動産の内見と内覧の違いとは?
一戸建てやマンションなどを買うことを考え、物件を訪れて室内などを見学することを一般的に「内見」といいます。
「内覧」という言葉を使うこともありますが、内覧は主に新築マンションを買う人が完成前にチェックする機会を指す場合もあります。
しかし、内見と内覧は物件を見学するという意味では同じものと考えても差し支えありません。
内見の重要性とプロに同行するメリット
不動産業者から紹介された物件は、希望条件や予算計画に基づいて選ばれていますが、実際に住むことを考えると、資料や情報だけでは不安な部分もあるかもしれません。
内見には不動産の専門知識を持つ営業担当者が同行するため、物件の状態や周辺地域の状況を確実に調査することができます。
また、プロ目線の専門的なアドバイスも受けられるため、内見のメリットの1つと言えます。
実際に内見をすると、資料の画像や写真と異なる印象を受けることもあります。
自分にとって許容範囲かどうかを確認することも重要です。
中古住宅を資産価値がわかるように把握できる
中古住宅というと、「古い建物は心配」「素人では分からない欠陥があるのでは」「リフォームにお金がかかるのかな?」というようなネガティブなイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、中古住宅でも適切に管理されていれば、新築よりも価値がある物件も存在します。
中古住宅を選択肢に含めることで、自身のマイホーム探しの幅が広がるかもしれません。
以下では具体的な内見のポイントについて詳しくご説明します。
中古物件を内見する際に確認すべきポイントです。
外観のチェックポイント
一戸建ての場合は、まず外観を確認しましょう。
チェックすべきポイントは、「屋根」「外壁」「軒裏」「基礎」の4つです。
外壁や基礎にひび割れ(クラック)がないか確認してください。
もしひび割れの幅が0.5ミリ以上であったり、1メートル以上の長さがある場合は注意が必要です。
特に、基礎にひび割れがある場合は建物の傾きが気になる可能性があります。
また、屋根や軒裏にズレや破損、塗装のはがれ、雨どいの破損がないかも確認してください。
室内のチェックポイント
室内に入る際は、まず玄関ドアに注目してみましょう。
スムーズに開け閉めできますか?もしスムーズにいかない場合は、床が傾いている可能性があることに注意が必要です。
また、他の部屋にある扉や窓も、スムーズに開閉できるか確認してください。
さらに、壁にひび割れやクロスのはがれ・浮き、キッチンのシンク下に水漏れがないかをチェックすることも大切です。
においも確認してください。
さらに、クローゼットや押し入れなど、居住者の同意を得た上で開けてみることも重要です。
カビのにおいがしていないかなど、確かめることも忘れずに行ってください。
プロに頼るチェックポイント
自分の五感で「なんだか気になる箇所がある」と感じた場合、プロに相談することをおすすめします。
プロの目を借りると、より詳細に中古住宅の状態を把握することができます。
中古マンションのチェックポイント
中古マンションを検討する際には、プロでないと判断できない部分もあります。
たとえば、ひび割れが見つかった場合でも、修繕すれば住むことができる可能性があります。
また、屋根裏や床下の状態も重要であり、これらの箇所もプロのチェックが必要です。
管理組合に問い合わせを
中古マンションの外観については、まず管理組合に問い合わせをします。
エントランスやエレベーター、廊下などの共有部分を確認するためには、専門家の診断が必要です。
専門家の診断には、組合の合意が必要です。
また、修繕計画や大規模修繕のための積立金も、不動産会社を通じて確認することができます。
売主様居住中も内見を申し込む
中古住宅を検討している時には、物件が空室であるとは限りません。
売主様がまだ居住中であっても、販売活動している場合があります。
このような場合でも、買い物が大事なマイホームですので、売主様に遠慮しすぎることなく内見をすることが大切です。
売主様も売りたいと思っていることを忘れずに、後悔のない内見をしましょう。
クローゼットや押入れもチェックする
中古マンション内でも、収納スペースが気になるものです。
クローゼットや押入れには、居住者の荷物が詰まっているかもしれませんが、それでも堂々とチェックすることは問題ありません。
事前に不動産会社を通じて売主様の了承を得ることが大切です。
物件内の確認は要注意!
売主様が居住中の物件を内見する際には、収納内のスペースだけでなく、壁や天井に雨染みやカビがないか、劣化が進んでいないかもチェックする必要があります。
また、建物の点検に欠かせない点検口の内部も確認しておくべきです。
点検口は住宅内の床面や天井に設けられることが一般的で、屋根裏を点検するためのものも設置されることがありますが、物件によっては点検口が存在しない場合もあります。
内見の際には、売主様に事前に点検口の確認をする旨を伝え、快く受け入れてもらうようにしましょう。
心に余裕を持ち、複数回の内見を行い、納得した上でご購入の決断をすることが大切です。
売主様の時間は大切!でも内見は躊躇しないで
売主様が居住している物件を内見する際に、何度も内見をお願いすることについては、遠慮してしまう人もいるかもしれません。
しかし、買主様は人生を左右するほどの大きな買い物をするために内見を希望しているわけです。
売主様も物件を売りたいと思っていることでしょうから、真剣にご購入を検討している姿を見せれば、数回の内見リクエストに対して断られる可能性は低いと言えるでしょう。
また、売主様と直接情報交換できる機会としても、内見は重要です。
なお、複数回の内見をする場合は、売主様の了承を得て、異なる時間帯に内見することをおすすめします。
午前と午後だけでなく、日の入り後の周辺環境も感じることができ、後悔のない中古住宅の購入につながるかもしれません。
内見はトラブルを防ぐために必須!
中古住宅を検討している場合、不動産会社から内見を勧められることがありますが、多忙などを理由に内見をしないで購入する方もいます。
しかし、内見を怠ることでトラブルが発生する可能性も高まります。
内見前には問題がないか一度確認しましょう。
内見後に問題が発覚すると、購入後に対処するのが困難になることもあります。
そのため、内見は重要なステップであり、購入前にしっかりと行うことをおすすめします。
内見をしっかりと行うことが重要
中古住宅を購入する際には、事前に内見をしっかりと行うことが非常に重要です。
というのも、トラブルは購入後すぐにわかるものだけでなく、時間の経過によって発覚するものもあります。
例えば、給湯器や温水洗浄便座などの設備の故障はすぐにわかるトラブルの一例です。
一方で、白アリや水漏れ、雨漏りなどは生活を始めてから気づくことが多いトラブルです。
このような場合は、トラブル箇所を写真などで記録し、すぐに不動産会社に連絡することが重要です。
ホームインスペクションがトラブル回避の基本です
特に中古住宅の場合には、築年数に関わらず、「ホームインスペクション」を行うことがトラブル回避の基本となります。
ホームインスペクションとは、住宅診断のことです。
住宅の専門家である「ホームインスペクター」(住宅診断士)が、物件の劣化状況や欠陥の有無、改修すべき箇所やかかる費用などを見極め、アドバイスをしてくれます。
白アリなどの状況をより詳しく知りたい場合は、専門の業者に依頼することもできます。
床下だけでなく、家の周りも含めて全てチェックしてもらうことで、より安心して中古住宅を購入することができるでしょう。
不動産会社選びも重要なポイントです
中古住宅を選ぶ際には、すべてを不動産会社に任せるのではなく、自ら情報を収集することも大切です。
例えば、不動産会社のウェブサイトなどで情報を集めてみましょう。
その会社が中古物件の取引に豊富な経験を持っているかどうか、中古物件に関するサポートが充実しているかどうかもチェックしてみてください。
まとめ
このように、後悔しない中古住宅の選び方について、内見の重要性やチェックすべきポイントなどを説明しました。
また、売主が居住中であっても、礼儀を守りつつ遠慮することなく内見を行うことをおすすめしました。
さらに、内見の際には、知識豊富な不動産会社の営業担当と同行することで、プロの視点から住宅を確認することができます。
これらの対策をしっかりと講じることで、安心して中古住宅を選ぶことができます。