一戸建てを選ぶ際には価格だけでなく、住まいの維持費も考慮することが重要です。
しかし、維持費の具体的な金額を把握するのは難しいかもしれません。
そこでこの記事では、一戸建てとマンションの維持費について比較します。
一戸建ての維持費
一戸建ての場合、主な維持費は「固定資産税」「都市計画税」「修繕費」「損害保険料」などです。
税金や保険料は予測できますが、修繕費は住んでいる状態によって異なる費用がかかります。
また、一戸建てを所有する場合は毎年「固定資産税」を支払わなければなりません。
これは、土地や建物などの不動産を所有している人にかかる地方税です。
さらに、「都市計画税」も併せて納税する必要があります。
ただし、都市計画税は市街化区域に土地や建物を所有している人に課税されるため、一戸建てを購入する場合は市街化区域内であるかどうかも考慮する必要があります。
市街化区域についての情報は、自治体や不動産会社に直接尋ねるか、インターネットで検索して事前に調べておくことがおすすめです。
市街化区域には都市計画や利用制限があり、それに合った建物や用途を考える必要があります。
自治体のホームページや不動産会社の情報を利用することで、具体的な規制や制約事項を把握することができます。
固定資産税と都市計画税について
固定資産税は、「固定資産評価額×1.4%」という計算式で算出されます。
これは、国や地方公共団体に対して課される税金であり、不動産や建物などの固定資産の評価額に基づいて決定されます。
一方、都市計画税は、「固定資産税評価額×上限税率0.3%」という計算式で求めることができます。
都市計画税は市町村によって異なる税率が設定されており、地方税として課税されます。
したがって、具体的な税率は各自治体のホームページなどで確認する必要があります。
修繕費について
一戸建てを新築で購入した場合、修繕費用は入居後しばらくは必要ないかもしれません。
しかし、年月が経つと壁や屋根の修繕が必要になることがあります。
また、中古物件を取得した場合には、すでに外壁や内装設備が傷んでいることが多いです。
修繕する費用は数百万円になることもあり、さらに大規模なリフォームを行う場合には、さらなる費用がかかることも考えられます。
一戸建ての場合、修繕費用は全て自分自身で負担する必要があります。
将来的に修繕費用が必要になることが分かっているので、毎月少しずつ積み立てておくことが重要です。
損害保険料について
一戸建てを購入する際には、火災保険や地震保険に加入することが重要です。
多くの場合、住宅ローンの利用時には加入が義務付けられています。
火災保険料は各損害保険会社によって異なりますが、年間でおおむね1万円から2万円程度です。
ただし、火災保険では地震などの被害に対する補償はされないため、地震保険とのセット加入がおすすめです。
地震保険は単独での加入はできず、火災保険と一緒に契約する必要があります。
火災保険は損害保険会社が設定する保険料が適用される一方、地震保険は政府と日本地震再保険株式会社、および損害保険会社が官民一体となって保険金を負担する制度で運営されています。
マンションの維持費に関して
マンションの維持費には、定期的なメンテナンスや修繕にかかる費用が含まれています。
具体的には、以下の3つの費用があります。
管理費
管理費は、マンションの共用部分の運営や管理をするために必要な費用です。
例えば、エレベーターや自動ドアの電気代やメンテナンス費用、共用廊下やエントランスホールの電気代、ゴミ置き場の清掃業務、植栽の手入れ、電気や給排水設備の保守点検費などに使用されます。
さらに、管理員や警備員の人件費、防犯カメラの設置費用、共用部分の火災保険や地震保険料も含まれることがあります。
マンションによっては異なりますが、一般的には3LDK(75平方メートル程度)のファミリータイプでは、約1~2万円の範囲となります。
修繕積立金
修繕積立金は、マンションの大規模な修理工事費用を貯めておくための積立金です。
具体的には、外壁や屋上の塗り替えや防水、給排水の配管設備の維持管理、消防や防災設備の取替修繕などが含まれます。
これらの修繕工事には多額の費用がかかるため、毎月一定の額を積み立てる必要があります。
修繕積立金は、マンションの耐久性を保ち、住み続けるための快適さを確保するためにとても重要な要素です。
以上のように、マンションにかかる維持費には、管理費と修繕積立金のほかにも駐車場代や固定資産税の支払い義務も含まれます。
これらの費用は、マンションに快適に住み続けるためには必要なものです。
駐車場代
マンションの維持費は、マイカーの駐車場代も含まれます。
マンションや地域によって異なりますが、月々の費用はおおよそ5,000円~3万円程度です。
特に機械式の駐車場の場合、維持管理費だけでなく修繕や交換にも費用がかかります。
ただし、機械式駐車場は共用部分であり、通常は修繕積立金でカバーされることになります。
しかし、修繕積立金が不足している場合は、一時金を支払う必要があります。
また、マンションの維持費は一戸建てと比べると手間がかかりません。
なぜなら、マンションでは不動産の管理や修繕のための作業を自分で行う必要がなく、管理会社が代行してくれるからです。
そのため、手間をかけることなく安心して暮らすことができます。
しかし、新築マンションの場合、最初の修繕積立金は比較的少なく設定されることが多いため、年を経るにつれて増額されていくことがほとんどです。
また、マンションの場合は住宅ローンの返済が終わっても、管理費や修繕積立金、駐車場代などは毎月継続して支払う必要があります。
まとめ
一戸建てとマンションの維持費について、修繕費用や管理費・駐車場代などの要素を考慮しました。
老朽化に伴う修繕費用は、一戸建てもマンションも一定の費用が発生しますが、大きな差はありません。
一方、管理費や駐車場代といった費用については、一戸建ての場合、工夫次第で安く抑えることが可能です。
ただし、マンションの管理費などは、提供される便利なサービスの対価でもあります。
自分やご家族の望むライフスタイルを考慮し、一戸建てかマンションかを選択することが重要です。
自分自身で工夫したり手間暇をかけることが好きな方や、維持費を低く抑えたいと考える場合は、一戸建てが適切な選択肢となるかもしれません。
一方、マンションでは、提供されるさまざまなサービスを利用できる利便性があります。
自分にとってどちらが適しているか、一戸建てかマンションかをよく考えてみましょう。